「会社を辞めたいけど、言えない」
そんな状況で毎日働いている人は多いのではないでしょうか。
日々辞めたいと考えていても、なかなか辞めるとは言い出せないものだと思います。
「ただでさえ人手が足りていないのに、この状況で辞めたいなんて言えない」
「他の人の目が気になって、辞めると言い出すことができない」
など、言い出せない理由は人によって様々でしょう。
しかし、ずっと悶々とした気持ちで働いていても、自分が辛いだけでストレスばかりが溜まっていってしまいます。
そこで、今回の記事では辞めたいと思っているけど誰にも言えないような場合の対処法を解説していきます。
仕事を辞めたいのに言い出せず、どうしようもなく困っているという人は、ぜひ参考にしてみてください。
会社はいつでも辞められる!

最初にお話したいのは、労働者である限りはいつでも辞めることができるということです。
民法で法的に定められていますので、正社員の場合であれば2週間前に退職を申し入れることでどのような理由でも雇用契約を解約することが可能です。
そのため、
「なんとなく申し訳なくて言い出せない」
「これまでの恩を仇で返すような気がして、辞めることができない」
などと気にする必要はないのです。
労働者の多くは誰でも自由に退職する権利を持っています。
もし、会社に退職を拒否されたとしても関係ありません。
無視して辞めて大丈夫なのです。
辞めたくても言い出せなかった教員時代

自分自身の経験談をお話したいと思います。
僕は元々、高校教師を3年ほど勤めていました。
労働時間は非常に長く、平日は朝7時過ぎには学校へ行き、夜の9時頃まで職場にいました。
土日も部活があり、休みはありません。
月に休日が1日あるかないかというような過酷な環境で、体を壊した過去があります。
以下では、そのような自分の体験談をもとに仕事を辞められない人の背景について具体的に解説していきます。
言い出せない人は、優等生が多い
自分で言うのも変な話ですが、僕はかなり真面目な性格です。
これまでの人生で、何かを途中で諦めたり、放棄することはありませんでした。
学校の成績も上位であることが多く、周囲の人より自分の方が評価が高いことが多かったのです。
そしてそうした状況こそが、自分のプライドの高さを生み出してしまいました。
周囲の評価を落としてはいけないと思っていませんか?
自分自身がそうだったのですが、どれほど過酷な環境でも周囲の評価を落とさないように努力していました。
例えば親や上司、同僚などには常に自分は優秀であると思われたいと考えていたのです。
だからこそ、辞めたいと言い出すことができずにいました。
今思えば、そんなどうでも良い評価を気にして、自分で自分の首を締めていたのです。
どうしても向いていない仕事というのは存在している
僕は、教師からWEBライターへと転職した過去があります。
どうしても対人関係が苦手で、人前で大声を出すことが嫌いでした。
その反対に何か一つのことに没頭するのは非常に得意だったのです。
だからこそ、教師という職業は自分に向いておらず、集中力を要するWEBライターという仕事は今の僕には向いています。
このように、人間どうしても向いていない仕事というのは存在しています。
どうしてもできないことはありますし、反対になんの努力をしなくてもできることもあるのです。
そのため、今の仕事にしがみつこうとする心は自分を苦しめることにつながります。
嫌われたり蔑まれることを恐れてはいけない
昔の自分もそうでしたが、嫌われることや蔑まれることを恐れていては行動を起こすことができません。
「辞めたいと言えば、きっと出来損ないだと思われるだろう」
「親は悲しむだろう。友達にもバカにされるかもしれない」
このように、人間はどうしても人の評価を気にしてしまいます。
辞めたいことを言い出せない人は特にそうでしょう。
結論、その通りです。
仕事を辞めれば一時的に批判されます。友達に見下されることもあります。
しかし、それが何だというのでしょうか?
それはあなたの命よりも大切なものですか?
他人の評価なんて、気にしてはならない
僕は仕事を辞めたことで、一つの結論を導き出しました。
それは、人の評価ほど無駄なものはないということです。
他人というのは本当に好き勝手言ってきます。
辞める時には批判してきますし、辞めた後も色々と言われるかもしれません。
しかし、自分の人生にその人たちは責任を取ってくれないのです。
自分の人生は自ら切り開くしかありません。
人の意見や評価を気にしていては、いつまで経っても誰かに都合が良い存在でしかなり得ないのです。
もし、評価を気にして辞めることを言い出せないのであれば、それはもったいないことだと思います。
少しだけ、一歩踏み出す勇気を持ってみてはいかがでしょうか?
そもそも、退職を言い出せない理由は?

辞めたいことを言えない場合の対処法を解説する前に、まずはなぜ退職を言い出せないのかについてその理由を見ていきましょう。
そもそも、言い出すことができない理由がわからなければ、どのように対処すれば良いか分からないはずです。
以下では辞めたいことを言えない理由について具体的に解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
上司や同僚に申し訳ないと思うから
仕事を辞める際に、他の人に対して申し訳がないと感じる人は非常に多いです。
例えば上司や同僚など、これまでお世話になった人や一緒に仕事をした人に対して罪の意識を感じてしまう場合もあるでしょう。
仕事を辞めることで、自分がやるはずだった仕事も他の人に任せる必要があり、それが申し訳なくて辞められないという人もいます。
しかし、そんなことは気にしなくて大丈夫です。
そもそも、労働環境がキツかったり不満があって辞めたい場合には、会社の責任である場合も。
それなのに、周囲に責任を感じて自分の人生よりも職場を優先させる必要はありません。
自分の人生に対して責任を取れるのは自分だけです。
やりたいことが他にあったり、あまりにもストレスが溜まっている場合には周囲のことは気にせず転職した方が良いでしょう。
職場が人手不足で申し訳ない
職場に人手が足りておらず、辞めることを言い出せないというケースもあるでしょう。
しかし、この問題に対してはあなたが気にする必要はありません。
そもそも、自分一人が会社を辞めることで仕事が回らない環境であるならば、会社側のマネジメントがうまくいっていないのです。
「この人手が足りていない状況で辞めるなんて何を考えているのか」
などと引き止められるかもしれませんが、それは会社側が責任をあなたに押し付けています。
人員採用や配置は会社の責任なのです。
そのため、人手が足りていないことを気にして退職することを躊躇っているのであれば、悩む必要はないでしょう。
人手不足を気にする必要がない理由については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
辞めてから特にやりたいことがない
退職した後に特にやりたいことはないけど、なんとなく今の仕事を続けるのは嫌だという人もいるでしょう。
そのような場合、自分が辞めたい理由と辞めた後に何がしたいのかを真剣に考える必要があります。
そもそも、どうして今の仕事を辞めたいと思っているのでしょうか。
この理由が曖昧な状態だと、次に何をすべきかが見えてきません。
上司が嫌だから?給料をあげたい?やりたい仕事ではない?
それによって、進むべき道も変わるでしょう。
上司が嫌なだけである場合、わざわざ退職する必要はないかもしれません。
給料をあげたいのであれば、専門性を高めたり、職種などをよく考える必要があるでしょう。
次にやりたいことが明確になっていないのであれば、まずは自分自身について知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
仕事を辞めたいけど言えない場合の対処法

ここからは、仕事を辞めたいけど言い出せない場合の対処法についてみていきましょう。
自分から言い出せなくても誰かに相談したり、配置を変えてもらうという方法もあります。
最終的には何かしらの行動をしなければいけませんが、まずは自分なりにアクションを起こすことが大切でしょう。
以下の方法を参考にしてみてください。
信頼できる人に相談する
人間関係だけではなく、現在の仕事内容や働くこと自体に悩んだ場合には、多くの方が先輩や上司、家族など、信頼できる関係にある人に相談するようです。
もし、仕事で思い悩んでいる場合には一人で悩み、そのまま退職を決める人もいますが、誰かに仕事の悩みを相談し、アドバイスをもらうことをおすすめします。
なぜなら、自分一人で考え込んでしまうと独りよがりになりがちだからです。特に人間関係においては冷静な判断に欠け、感情的になってしまうことがよくあります。
誰か身近な人に相談することで、気持ちがスッキリしたり、自分とは違う新しい考え方に触れることもあるはずです。
相談することによって、今まで一人で悩んできた悩みが解決したり、心の拠り所ができ不安が少し薄れることもあります。そのため、第三者の意見を聞いてみましょう。
また、最初に悩みを相談する際は少し勇気が必要かもしれませんが、一歩踏み出して話してみると、同じような悩みを抱えている先輩や同僚がいることもあるでしょう。
同じ悩みをどのように解決したのか、アドバイスをもらえる可能性もあります。場合によっては、「辞めたい」という気持ち以外の視野が広がることもあるはずです。
人事部に相談してみる

上司や後輩などに相談が難しい場合は、社内のカウンセラーや人事部に相談するのも一つの選択肢です。
特に、「パワハラ」や「セクハラ」「モラハラ」関連で悩んでいる方は、自分一人では解決できない場合が多いです。
会社が環境改善に動いてくれたり、部署の移動などで人間関係が変わり、働きやすい仕事環境になる可能性もあります。
会社を辞めることもリスクはあると思うので、人事部に相談してから、会社を辞めるべきか、残るべきか冷静に判断しましょう。
考え方を改めてみる
仕事をしていると、考え方が合わない上司や、言うことを素直に聞いてくれない後輩など、むしゃくしゃしたり、怒りが収まらないことが多々あると思います。「辞めたい」と思ったり、ストレスが溜まるのも当然でしょう。
ですが、もしかすると話し合えば解決することや、誤解の場合もあります。人間関係は難しいもので、100人いたら100通りの考え方があり、必ずしも自分の考えと一致するわけではありません。
意見や考え方の食い違いは当然のこと。親しい身近な人物とは違い、考え方が違う人ともコミュニケーションを取らないといけないのが仕事です。職場は仕事をする場所だと割り切り、ストレスを軽減させることも一つの方法かもしれません。できるだけ自分自身の仕事に打ち込み集中しましょう。
そして適度なコミュニケーションを取り、仕事仲間と一定の距離を保ち、自分自身のストレスを感じないように努めることが大切です。
ただ、距離を保とうとしても上司や後輩に嫌がらせをされたり、陰口を言われると距離を取るのが難しい場合もあるでしょう。
そのようなときは、何もしないという対処法を取ることをオススメします。変に対処しようと行動すると疲れてしまい神経が擦り減ってしまうからです。妬みによるいじめは無視しても大丈夫です。
相手との距離感や考え方を見直し、自分自身が過ごしやすい環境作りをしましょう。
仕事を辞めて新しい環境で頑張る
関係の近い人に話を聞いてもらったり、人事部に相談しても一向に状況が良くならない。
または、小さな会社のため、安易に相談ができる環境ではない、修復が不可能なほど人間関係が悪化してしまっているなどの場合には転職も一つの方法かもしれません。
我慢をし続けた結果、体調が悪くなってしまったり、精神的に病んでしまったりする人も数多く存在します。追い込まれる前に転職を考えましょう。
ただし、転職が全てではないことを理解しておく必要があります。会社はそれぞれ異なる性格や意見を持った人たちの集まりです。どの会社にも人間関係の問題はおそらく存在すると言えるでしょう。
転職したからといって、良い方向に進むとは限りません。必ずしも申し分のない人間関係を作れる保証はないということです。
人間関係が悪くなってしまった原因は、もしかしたら自分に非があるかもしれません。すぐに「仕事を辞める」のではなく、自分に非がなかったのかをもう一度考えてみましょう。
自分自身の発言や言動に問題がなかったのかを見直すことなく、転職してしまうと、同じことを繰り返してしまう可能性があります。
また、人間関係の悪化により仕事を退職することになったとしても、これからのプランや明確な目標も持たずに、退職してしまうことはあまりオススメできません。
仕事を「辞めたい」理由が、もし人間関係以外にもあるのであれば、それらの問題も解決すべきでしょう。他の問題が解決すれば、自然と人間関係に関する悩みも解決する場合があるかもしれません。
仕事を「辞めたい」と思う理由と、それをどのようにすれば解決するのかについてしっかり考えてみると、「次はこんな会社に就職したい」などという前向きな発想が生まれてくるはずです。
仕事を辞めた方が良い状況とは?

そもそも、仕事を辞めたいけど言い出せない状況の場合、本当に辞めて良いのかどうかについてお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
以下では仕事を辞めた方が良い状況について具体的に解説していきますので、やめるべきか悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
体調を崩し始めている
まず、仕事が原因で体調を崩している人は、仕事を辞めた方が良いと言えます。
あまりに仕事が忙しかったりストレスがひどい場合、やがて心身に異常が出始めます。
その状態で働き続けたとしても、うつ病などの病気になってしまう可能性もあるため、退職を検討した方が良いでしょう。
以下のような状態になっている人は、転職などを検討しましょう。
- ずっと暗い気持ちが続いている
- 朝、ベッドから起き上がることができない
- 何をしていても、仕事のことを考えて憂鬱な気持ちになる
- 食欲が出ない
- 死にたいと思う
このような症状はうつ病の前兆です。
もしかすると、仕事のストレスによってうつ病になっているかもしれません。
当てはまっている部分がある人は、手遅れになってしまう前に退職を検討するようにしましょう。
職場の人間関係が劣悪すぎる
社会人になれば、人間関係に悩むのは仕方のないことかもしれません。
誰しもが少々のストレスに耐えながら仕事をしているでしょう。
しかし、あまりにも劣悪な人間関係である場合には、退職を検討した方が良いケースもあります。
例えば、暴言ばかり吐いてくる上司や悪口ばかり言っている同僚、どう考えても無理な数字を求めてくる社長など、理不尽すぎる環境は少し考えた方が良いでしょう。
こうした状況であれば過度なストレスを受けることになり、いずれ心身にも異常が出てしまうかもしれません。
もし、ひどい人間関係の中で働いているのであれば、退職を視野に入れるのも一つの選択肢と言えるでしょう。
明らかに自分の特性と仕事が合っていない
私は過去に3年ほど教師として働いていた経験があります。
教師は密な人間関係を築くことが求められる職業です。
保護者、生徒、同僚、上司など、幅広くコミュニケーションを取らなければなりません。
しかし、私は残念ながら他人と関わるのがあまり好きではありませんでした。
そして合わない仕事で3年働き、ついには体を壊してしまったのです。
今の自分の特性と、仕事はマッチングしているでしょうか。
明らかにできない仕事に就いている場合、転職した方が上手くいくこともあります。
私も上述したように合わない仕事で働いていましたが、現在はWEBライターに転職し、ありがたいことに自由にお仕事をさせていただいています。
このように、環境を変えることで活躍できることもあるのです。
本当に今の仕事に自分が向いているのか、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
他にやりたいことがある
もしかして、今の仕事以外に本当はやりたいことがありませんか?
他に自分のやりたい仕事があるのであれば、転職しても良いかもしれません。
20代の方であればどの業界に行っても歓迎されるはずです。
決断するのはできるだけ早い方が良いでしょう。
30代以上になれば結婚して自分の家庭を持つ人も増え、自由に仕事を選ぶことも難しくなるはず。
できるだけ若い間に、自分のやりたい道を突き進んでみるのも悪くないかもしれません。
会社の経営が危ない
会社の経営状態が危険な場合も、退職を考えた方が良いでしょう。
会社が潰れてしまえば、そもそもお金を稼ぐことができません。
これまでどれほど会社内で頑張ってきたとしても、無駄になってしまう可能性があります。
例えば賃金の未払いが発生していたり、社内で怪しい噂があるなどの場合には転職先を探した方が良い可能性が高いです。
倒産してしまう可能性があるときは、むしろ何も行動を起こさない方がリスクかもしれません。
もし、転職することになったら

色々悩んだ末に転職することになった場合、とりあえず辞めれば良いというわけではありません。辞める時にも気を配る必要がありますし、その後の新たな会社でも上手く立ち回る必要があるでしょう。以下では転職する際に気をつけることについて解説していきます。
円満な退社を心がける
色々悩んだ結果、最終的に仕事を退職することになってしまったとしても、現在の職場に迷惑をかける辞め方は避けましょう。
突然の退職や、引き継ぎをしっかり行わないまま辞めてしまうと、転職した後に同じ業種内で、悪い噂が流れてしまう可能性もあるでしょう。
場合によっては、前職の同僚や上司と仕事の関係で鉢合わせてしまったり、取引先の人に良くない情報が流れてしまうことがあります。
全く違う職種に転職するにしても、ことわざで「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、最後が良ければ印象が一気に変わる可能性もあるかもしれません。
今後のことも含めて、周りの人たちとは円満に退社できるように努めましょう。
転職先での人間関係にも気をつける
現在の会社での人間関係が上手く行かずに転職をした場合、新しい会社で同じことを繰り返さないように努力することを心掛けましょう。
丁寧な挨拶を意識したり、言葉遣いに気をつけるなど、前回の会社で学んだことを生かしつつ人間関係を構築していくことが大切です。
もし、同じように次の職場でも失敗してしまえば、また転職しなければならないかもしれません。そのようなことにならないためにも、次の職場でも良好な関係を作ることが重要になるでしょう。
まとめ

仕事が辞めたいと思っていても、なかなか人に言えるものではありません。もし、誰にも言えずに困っているのであれば、上記の方法をお試しになってみてはいかがでしょうか。少し視野を変えるだけでも、大きく状況が変わる場合もあるはずです。
一人で悩みを抱え込むのが一番良くありません。思い悩みすぎないようにしましょう。