「高倍率の教員採用試験を突破したものの、仕事がキツすぎる」
「土日も関係なく仕事があり、もう辞めたい」
そのようにお考えの方はいらっしゃらないでしょうか。
私も過去に高校教師として3年間働き、体を壊した経験があります。
そのため、高校教師を辞めたい方のお気持ちは大変よく分かるのです。
今回の記事では、高校教師のおおよその離職率や転職理由、具体的な転職先を解説します。
これから教師を辞めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
高校教師から転職する人はどれくらいいるの?
まず、高校教師から転職する人がどれくらいいるのかについて見ていきましょう。
大まかではありますが、地方公務員としての教員全体の数は、全国で、約85万人ほどいます。(平成28年度)
そして、そのうちの普通退職者の数は5700人程度です。
この数字から見る限り、離職率は0.68%ほどになることが分かります。
参考:地方公務員給与の実態(平成28年度)
高校教師から転職する人は非常に少ない
上記の数字から見てもわかるように、高校教師の転職者は非常に少ないです。
実際、私自身の退職の時を振り返っても、転職したのは同期の中でも私だけでした。
やはり、安定したいという気持ちが強い人が多いので、高校教師からの転職者は少ない傾向にあります。
また、高校教師は中学校や小学校と比較しても採用試験の倍率が非常に高いです。
そのため、せっかく教師になれたのに辞めてしまうのはもったいないという心理も転職率が低くなっている要因と言えるでしょう。
高校教師から転職する理由は?
上記では高校教師からの転職率について解説しましたが、実際に転職する理由とはどのようなものがあるのでしょうか。
以下では高校教師が転職する理由について詳しく解説していきます。
業務がハードすぎて自分の時間がない
教師の転職理由として最も多いのは、業務がハードすぎることで自分の時間がないというものです。
知っての通り、教師は非常に多忙な生活を送っています。
日常の授業だけに注目されがちですが、実際には生徒の対応、校務分掌、部活動など、やることが無限に存在しているのです。
初めは熱意を持って教員採用試験を受けたものの、実際に教師になってみればその忙しさに驚いた人も多いのではないでしょうか。
そのため、業務が忙しすぎるゆえに転職したいと考える人もかなりの数が存在しているようです。
モンスターペアレントの対応がきつい
業務の忙しさの他に、モンスターペアレントの対応がきついという方も多いです。
最近の保護者には、かなり理不尽な要求をしてくる人も多く、保護者との関係性で悩みを抱えている先生はたくさんいます。
実際、私が教師をしていた時も自分の娘を試合に出すように脅してきたり、成績を上げるようにクレームが入ったこともありました。
全ての保護者がこうした人ばかりではありませんが、中には理不尽な要求に耐えきれずに転職したいと考える人もいらっしゃるようです。
人間関係が辛い
人間関係がうまくいかないために、仕事を変えたいと思う人もいます。
教師は多くの人との人間関係を上手く築き上げる必要のある職業です。
一般的には生徒との関係だけに着目されがちですが、実際には教師同士の関係にストレスを感じている先生が多いです。
ある意味職人気質のような人も多く、ベテランの先生になればかなり気難しい人も多いです。
そのため、人間関係の構築がうまくいかずに転職したいと思うのも仕方がないことかもしれませんね。
生徒指導がきつい
生徒指導はかなりハードな仕事です。
教師は授業だけしていれば勤まるわけではなく、普段の生徒指導も行わなければなりません。
というより、むしろ生徒指導がメインなのではないかと言えるほどに仕事量があります。
問題行動が多い生徒がクラスにいれば、それだけ担任の負担も増えてしまうでしょう。
実際、私も担任を持っている時には土日も関係なく出勤する時もありました。
生活指導は一概にこれをやれば良いというものでもないため、指導も行いにくい場面もあるでしょう。
こうした状況が続いてしまえば、ストレスを感じ続けることになり、転職を考える方も多いようです。
年功序列が嫌になる
教師は基本的に年功序列です。
そのため、どれだけ頑張っても給料はそこまで変わりません。
自分の半分以下の仕事量しかこなしていない先輩教諭、とくに年配の教師でも、自分より2倍以上の給料をもらっています。
私も、現場にいた時はこのことが一番納得がいかないことでした。
「あの人は自分より仕事をしていないのに、なんで高い給料をもらえるのだろう」
「明らかに自分の仕事量が多いのに、納得できない」
働いている中で、このように感じる人も多いです。
高校教師の転職先は?
高校教師の転職先にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下では具体的な転職先をいくつかご紹介していきます。
塾講師や予備校講師
高校教師からの転職先として非常に多いのは、塾や予備校の講師です。
専門性が求められる高校教師は予備校などとの相性がよく、転職先としても選ばれる傾向があります。
生徒に教えるという点で共通しているので、現場では即戦力として歓迎されることもあるようです。
もし、専門的な指導のみに特化したいのであれば予備校や塾の講師も転職先の選択肢として考えるのも良いでしょう。
ただし、予備校や塾では生徒の成績を上げるためにより分かりやすい授業が求められます。
公務員と違って民間の企業になりますので、結果主義になることにがあらかじめ注意しておくようにしましょう。
家庭教師
家庭教師も、高校教師からの転職先として考えられる職業です。
こちらもこれまでの教師経験を生かして仕事を行うことができるため、スキルを生かして転職活動を行うことが可能でしょう。
また、一般的な高校であれば基本的に大人数の生徒を指導する必要があります。
そのため、個々に向き合った指導が行えないことに不満を持っている方はにはおすすめの職業と言えるでしょう。
高校教師時代に身につけた指導方法やスキルを生かして生徒を教えることにやりがいを感じる方は、家庭教師も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
教材開発や、教材制作会社
教材に関連する職業も、高校教師からの転職先として考えられます。
教科書の制作に携わったり、塾や予備校の教材を制作している会社であれば、これまでの専門性を生かして仕事をすることができます。
また、現在ではただ生徒に有用な教材を考えれば良いということではなく、学習指導要領に沿って教材を作る必要があるようです。
高校教師の採用試験では学習指導要領に関する知識も求められているはずですので、これまでの知識を生かして転職活動に取り組むことができるでしょう。
営業職
人と関わるのは嫌いではないものの、教育職以外に就職したい場合には営業職はいかがでしょうか。
営業を行うにはお客様の意見を聞く傾聴の姿勢や、商品の良さを伝えるためのプレゼン能力も必要です。
高校教師はこれらのスキルをこれまでの仕事の中で培っていると思います。
そのため、営業の仕事も経験を生かして転職できる転職先の一つであると言えるでしょう。
また、営業であれば特に専門性が求められないことも魅力の一つです。
特別なスキルや資格を持っていなくても、転職することができます。
ただし、シビアなノルマや結果を出すことが必要になるので、その点はあらかじめ理解しておくようにしましょう。
事務職
デスクワーク中心の生活をしたいのであれば、事務職に転職するのも良いでしょう。
高校教師は日常の生活の中で多くの事務作業を行っていると思います。
普段の雑務をこなしていく中で、パソコンスキルも身についている人も多いでしょう。
そのため、転職活動の中で上手くアプローチすることができれば、採用される確率を高めることができます。
しかし、面接会場ではパソコンのスキルを表現することはできません。
面接に向けてアピールできるような資格などを事前に取得しておけば、強みになるはずです。

カケル

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