新卒薬剤師の就職先として人気の高い病院薬剤師。
医療の最前線で患者さんのために働きたい!
チーム医療の一員として活躍したい!
そんな思いを抱いて病院薬剤師を志し、難関な就職試験をクリアして病院薬剤師になった方も多いのではないでしょうか。
やりがいのある病院薬剤師の仕事ではありますが、新卒3年目までの病院薬剤師の離職率は一般的に50%といわれています。
人気がある一方で、辞めていく人も多いのが病院薬剤師の現状です。
この記事では、病院薬剤師を辞めたいと思ったときに後悔しないための対策と、多くの病院薬剤師が辞めたいと思う理由について解説します。

・現役薬剤師
・認定薬剤師
・一児の母
病院薬剤師を辞めたい・辛い・しんどいと思う時の対策

病院薬剤師を辞めたいと思ったときに、気持ちのままに勢いで辞めてしまうのは得策ではありません。
病院薬剤師を辞めたいと思ったときにするべきことをまとめました。
まずはゆっくりと休もう
まずはゆっくりと心と身体を休めましょう。
日々の仕事で心も身体も疲れ切った状態では、冷静な判断ができません。
そのような状態で「退職」という人生を大きく左右する決定をすると、後悔する可能性があります。
「仕事を辞めたい」と思うほどに疲れ切っているのであれば、十分な休息が必要です。
有給休暇を取得して心と身体を休めましょう。
体調を崩している場合は、退職する前に休職するという選択肢もあります。
しばらく休職して心身が回復すれば、また病院薬剤師として頑張ろうと思えるかもしれません。
転職活動を行うとしても、心身が健康な状態でなければうまくいきません。
まずはゆっくりと休んで体調を整えることを優先しましょう。
周囲の人に相談してみよう
仕事を辞めたいという気持ちを信頼できる周囲の人に相談してみましょう。
人に話すことで、自分の考えや抱えている問題を整理することができます。
家族や友達などに仕事の悩みを打ち明けることで、自分とは違った視点からアドバイスをもらえるかもしれません。
仲のいい同僚に相談するのもおすすめです。
人間関係の悩みなどは、同僚が仲裁してくれる場合もあります。
後悔しない選択をするためには、問題をさまざまな視点で分析することが大切です。
ひとりで考え込むのではなく、周囲の人の意見も参考にしてみましょう。
働き方を変えてみる
病院薬剤師の仕事を辛いと感じているのであれば、働き方を変えるという選択肢もあります。
薬剤師の資格を活かして働ける職場は病院だけではありません。
ドラッグストアや薬局に勤務する薬剤師は、一般的に病院薬剤師よりも給与が高い傾向にあります。
また、夜勤や日曜出勤などがなく、ワークライフバランスを重視した働き方ができる職場も多いです。
もっと自分の時間を大切にしたいという方はパートや派遣として働くのもおすすめです。
正社員よりも、働く時間や日数を柔軟に変えることができます。
小さい子どもがいて労働時間に制約のあるママ薬剤師でも働きやすい雇用形態です。


求人を探しておくのがおすすめ
病院薬剤師を辞める前に、新しい仕事を探しておくのがおすすめです。
新しい仕事を見つける前に退職してしまうと、その後の転職活動にも焦りがでてきます。
辞めてから焦って仕事を探し、内部事情のわからないところに転職してしまうと、また同じようにつらい状況になってしまう可能性もあります。
すぐに転職を行わない場合でも、どんな求人があるのかだけでも確認しておきましょう。
病院薬剤師を辞めたいなと思ったら、まずは薬剤師専門の転職エージェントに登録するのがおすすめです。
転職エージェントに登録すると、専任のアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。
職場の雰囲気や内部事情など、求人票からはわかりづらい部分も教えてくれるので安心して転職活動をすすめることができますよ。
もちろん、条件に合う求人がなければ、転職せずに病院薬剤師を続けるという選択をしても問題ありません。
完全無料で利用できるので、転職を考え始めたらまずは登録してみましょう。


病院薬剤師を辞めたい・辛い・しんどいと思う理由とは?

病院薬剤師を辞めたいと思う理由は以下のようなものが多いです。
- 職場の人間関係が辛い
- 収入に不安がある
- 業務内容が合わない
- ライフワークバランスが崩れる
- 夜勤がしんどい
- 妊娠・出産や育児との両立ができない
多くの病院薬剤師が職場の人間関係や不規則な勤務形態に悩みを抱えています。
職場の人間関係が辛い
病院薬剤師にかぎったことではありませんが、仕事の悩みとしてもっとも多いのは人間関係の悩みです。
病院の薬剤部は閉鎖的で人の異動もほとんどないため、一度人間関係が悪化してしまうと解決することが難しい傾向にあります。
薬局やドラッグストアでは、仲の悪いスタッフ同士を異動で別の店舗に配属して顔を合わせないようにする、といったことも可能ですが、病院薬剤師ではそういった配慮は難しいことが多いです。
また、他の医療職との人間関係に悩む病院薬剤師もいます。
医師や看護師の発言力が強く、薬剤師をヒエラルキーの下と見るような病院もあり、関係構築に苦労するケースも多いです。
多職種との連携がうまくいかなければ、チーム医療に参加しているという実感が持てず、仕事に対してやりがいを感じられなくなってしまいます。
収入に不安がある
ハードな業務をこなさなければならない病院薬剤師ですが、給与面では薬局やドラッグストアで働く薬剤師よりも低いのが現実です。
病院薬剤師の平均年収は400万円前後。
一方で、薬局薬剤師の平均年収は500万円前後、ドラッグストアの薬剤師の平均年収は500〜600万円ほどです。
病院薬剤師は診療報酬の影響で、仕事量が多くても給料が上がりにくく、昇進もあまり期待できません。
数年ぶりに他の職種で働く大学時代の同期と再会し、年収の差に愕然とすることもあるでしょう。
激務のわりに給与が安いという現実に不満を抱えて辞めていく病院薬剤師も多いです。
業務内容が合わない
病院薬剤師の仕事は幅が広く、仕事内容が思っていたのと違うとなってしまうケースも多いです。
- 病棟業務をやりたいと思っていたのに実際には調剤ばかりだった
- 院内の委員会業務が大変だった
- 他の医療職との関係構築がうまくいかず、チーム医療に携われなかった
- 論文や学会発表をして薬剤師としてスキルアップしたかったけど、研究できる環境が整っていなかった
病院薬剤師は、薬剤師としてスキルアップするのに最適な職場だと考えて就職する薬剤師が多いですが、真面目で志が高い人ほど、理想と現実のギャップに苦しみます。
また、仕事中に大きなミスをしてしまい、責任を感じて自分にはこの仕事は向いていないと感じてしまうケースもあります。
薬剤師の業務の特性上、どんなに忙しくてもミスは許されません。
間違えてはいけないというプレッシャーに耐えられなくなってしまう薬剤師も多いです。
ライフワークバランスが崩れる
病院薬剤師は残業が多く、激務な職業として有名です。
調剤や疑義照会、院内処方の服薬指導といった業務のほか、注射薬の取り揃えや高カロリー輸液・抗がん剤の調製、病棟業務、院内の委員会業務など、幅広い仕事をこなさなくてはなりません。
病院内には多くの委員会があり、資料作成などを担当することになりますが、日中は通常業務をこなさなければならないので、委員会業務は残業で対応することになってしまいます。
カルテの記入や病棟業務は、明確なゴールがある業務ではないので、真面目な薬剤師ほど帰宅時間が遅くなりがちです。
このように残業が多い状況では、プライベートの時間を確保するのが難しく、ライフワークバランスが崩れてしまいます。
夜勤がしんどい
入院患者がいる病院では、薬剤師も夜勤を避けられません。
夜勤があると生活リズムが不規則になり、体調を崩してしまうこともあります。
若いうちは乗り切れても、年齢を重ねていくほど夜勤が体力的につらいと感じる薬剤師も多いです。
夜勤は1人体制という病院も多いため、調剤過誤を起こさないか、他の医療職からの問い合わせにきちんと対応できるか不安で精神的にしんどいということもあります。
夜勤の身体的・精神的な過酷さに対して当直手当が安いということも病院薬剤師を辞めたいと思う理由の1つでしょう。
妊娠・出産や育児との両立ができない
女性薬剤師では、結婚や出産のタイミングで病院薬剤師を辞める人も多いです。
病院薬剤師のように業務量が多く、残業や夜勤のある職場では仕事と子育てを両立させるのは難しいです。
病院によっては、妊娠・出産への周囲の理解が乏しく、産休・育休から復職しづらい雰囲気が残っているところもあります。
小さい子どもを育てていると、急な早退や欠勤は避けられません。
上司や同僚の理解が得られず、冷ややかな目で見られて職場にいづらくなってしまうということもあります。
女性が多い職種ではありますが、激務で残業や夜勤が当たり前の職場は、子育て中のママ薬剤師が働きやすい環境とはいえません。
病院薬剤師を辞めたい・辛い・しんどい時の注意点は?

病院薬剤師を辞めたいと思ったときの注意点をまとめました。
退職時のトラブルを避けるためにも、以下の3点に注意しましょう。
- 感情に任せて辞めるのはNG
- 退職の意思は余裕をもって伝える
- 引き継ぎは丁寧に行う
感情に任せて辞めるのはNG
病院薬剤師を辞めたいと思っているときは、精神的にも肉体的にも疲弊した状態です。
すぐにでも辞めてしまいたいと思うかもしれませんが、感情に任せて辞めるのはNGです。
心も身体も疲れ切った状態では、冷静な判断ができません。
あとになって「辞めなければよかった」と後悔する可能性もあります。
まずは休暇を取得するなどして、身体と心をしっかりと休ませてから決断するようにしましょう。
退職は余裕を持って伝えよう
代わりの人員の確保や配置転換が必要になるので、退職は余裕をもって申し出るようにしましょう。
退職の2〜3か月前には退職の意思を伝えておくのがベストです。
病院薬剤師が辞めるのに適した時期は以下のとおりです。
- 繁忙期(12月~2月)以外
- 年度末
- 新人の入職試験の前
- 新人の教育担当を決める前
あまりにも急に退職を申し出た場合は引き止めにあうケースもあるため、引き継ぎや有給消化も考慮して、早めに退職の意思を伝えましょう。
引き継ぎは丁寧に
退職が決まったら、後任者への引き継ぎは余裕をもって丁寧に行いましょう。
自分が担当している業務について、引き継ぎ資料を作成するのがおすすめです。
資料があると、自分が退職したあとでも不明点を確認できるため、口頭だけで引き継ぎを行う場合よりも後任者は仕事がしやすいです。
業務の流れや、やるべきことをまとめたチェックシートを引き継ぎ資料として作成しておくといいでしょう。
病院薬剤師の転職で後悔しないためには?

病院薬剤師の転職で後悔しないためのポイントをまとめました。
- 転職理由を明確にしておく
- 希望条件に優先順位をつけておく
- 職場見学をする
- 転職エージェントを活用する
ひとつずつ詳しく解説していきますね。
転職理由を明確にしておく
転職活動を始める前に、転職理由を明確にしておくことが大切です。
- 職場の人間関係が悪い
- チャレンジしてみたい仕事がある
- ワークライフバランスを大切にした働き方がしたい
- 年収をアップさせたい
など転職を考える理由は人それぞれです。
実際に転職活動を行う前に、
- 自分が抱えている問題を転職以外の方法で解決することはできないのか
- 自分が抱えている問題は転職することで本当に解決できるのか
をしっかりと考えましょう。
場合によっては転職しない方がよいという結論になるかもしれません。
きちんと転職理由を考えた結果、自分のキャリアにとって転職するのがベストだと判断した場合は、その転職理由を叶えることを転職活動の軸としましょう。
希望条件に優先順位をつけておく
転職理由が明確になったら、働きたい職場の条件を考えましょう。
- 雇用形態
- 職種
- 勤務時間
- 福利厚生
- 勤務地
- 通勤方法
など、転職後の生活や自分の将来のキャリアをイメージしながら、できるだけ具体的に条件を考えます。
このとき、希望条件に優先順位をつけておくことが大切です。
すべての条件が希望どおりという職場はなかなか見つかりません。
希望条件に優先順位をつけておくことで、転職活動の途中で軸がブレてしまうのを防ぐことができます。
自分の中で譲れない条件と妥協できる条件を明らかにしておきましょう。
職場見学をする
転職する前にできるだけ職場見学をしておきましょう。
実際には、面接時に職場見学もさせてもらえることが多いです。
職場の空気感や人間関係、薬局長の人柄、設備のきれいさなど、求人票を見ているだけではわからない部分もたくさんあります。
仕事の悩みの大部分は人間関係に関することだといわれています。
短時間の職場見学で人間関係を見極めることは難しいかもしれませんが、雰囲気はわかることもあります。
とくに薬局長などの管理職の人柄は働きやすさに直結します。
薬局長は頼りになりそうな人か、他のスタッフとどのように接しているのかなどに注目してみましょう。
転職後に思っていたのと違ったと後悔しないためにも、事前の職場見学は大切です。
▶︎職場見学までサポートしてくれる【ファルマスタッフ】に相談してみる
転職エージェントを利用する
転職活動を成功させるためには、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
薬剤師の求人を探す方法としては、知人からの紹介やハローワークを利用する方法などもありますが、転職エージェントを利用することで以下のようなメリットがあります。
- 条件を詳しくヒアリングした上で条件に合った求人を紹介してもらえるため、効率的に求人を探すことができる
- 人間関係や管理薬剤師の人柄、募集理由など、求人票からはわかりづらい職場環境を教えてもらえる
- 年収の交渉など自分では言いにくい部分を転職エージェントのアドバイザーが代わりに行ってくれる
- 履歴書の作成や面接対策などのサポートをしてくれる
特に、在職中に時間が限られた中で効率的に転職活動を行う場合には、転職エージェントのアドバイザーのサポートが欠かせません。
転職エージェントは、応募先の企業に登録者が就職した際に企業から紹介料をもらっています。
そのため、薬剤師は完全無料でサービスを利用できます。
- 転職すべきかどうか悩んでいる
- どんな求人があるのか知りたい
- 自分の市場価値を確かめたい
といった理由でも利用できるので、転職を考え始めたらまずは登録してみましょう。

まとめ
この記事では、病院薬剤師を辞めたいと思ったときに後悔しないための対策を解説しました。
- まずはゆっくりと休む
- 周囲の人に相談する
- 働き方を変えてみる
- 辞めるまえに仕事を探しておく
病院薬剤師はやりがいのある仕事である一方で、激務・薄給という理由で辞めたいと考える薬剤師が多いのも現実です。
薬剤師として活躍できる場所は病院だけではありません。
薬局やドラッグストアなどに転職することで、プライベート重視の働き方や年収アップを望むこともできます。
自分の市場価値やどんな求人があるのかを調べておくだけでも心の余裕につながります。
「病院薬剤師の仕事がつらくて辞めたい」と感じているのであれば、まずは転職エージェントに登録して相談してみましょう。


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