自動釣銭機とは？ 仕組みや使い方、導入のメリットを解説！

現代の店舗運営には欠かせない存在となった自動釣銭機。しかし、その仕組みや使い方、導入によるメリットは具体的にどのようなものなのでしょうか？ 

本記事では、自動釣銭機がどのように現金取引をスムーズにし、店舗の効率化や顧客満足度向上に寄与するのかをわかりやすく解説します。

ビジネスオーナーやスタッフの方はもちろん、技術に興味のある方はぜひ参考にしてください。

自動釣銭機とは？

ここでは、自動釣銭機の基礎知識から、導入が進んでいる理由まで解説します。

自動釣銭機の概要

自動釣銭機は販売店などで利用される、現金取引を自動化する装置のことです。

具体的には、顧客からの現金の支払いを受け取り、必要な釣銭を自動的に計算し提供する機能を搭載しています。

自動釣銭機の導入により、従業員が釣銭を手作業で計算・提供する必要がなくなり、労働効率を向上させることが可能です。

また、自動計算であるため、人為的な間違いを防ぐことにも繋がります。これらの機能は、小売業や飲食業など、現金取引が多い業種で特に有用といえるでしょう。

自動釣銭機の仕組み

自動釣銭機の主要な機能は、現金の認識と計算、そして釣銭の出力です。

顧客から受け取った現金は、装置内部のセンサーによって種類と数量が認識されます。

これらの情報を基に、内蔵のコンピュータが購入金額との差分を計算し、釣銭を決定。その後、内部に備え付けられた現金ストレージから適切な硬貨や紙幣が選ばれ、出力口から顧客に提供されます。

全てのプロセスは自動化されており、人間の介入を最小限に抑えることが可能です。

自動釣銭機の導入が進んでいる理由

自動釣銭機の導入が進んでいる背景には、主に三つの理由があります。

一つ目は、労働力不足の解消です。自動釣銭機は、スタッフの作業負荷を軽減し、より効率的な店舗運営を可能にします。

二つ目は、現金管理の精度向上です。自動釣銭機は、人間が行うよりも正確な計算を可能にし、釣銭ミスを防止します。

三つ目は、顧客サービスの向上です。自動釣銭機による精算は迅速であり、顧客の待ち時間を短縮し、顧客満足度を向上させます。

これらの理由から、多くのビジネスオーナーが自動釣銭機の導入を選択しています。

さらに、現代の小売業のトレンドとして、テクノロジーの活用が求められているのも理由の一つです。

自動釣銭機の導入は、効率化と顧客満足度向上を追求する現代の店舗運営において、非常に重要な要素となるでしょう。

自動釣銭機の運用方法とは？

自動釣銭機の運用方法には、以下の2種類があります。

①入金優先運用 
②釣銭優先運用

それぞれの違いを把握し、自店舗に適した運用方法を選んでください。

①入金優先運用 

入金優先運用とは、顧客から受け取った現金を可能な限り自動釣銭機内部に保管し、次回の釣銭用に優先的に使用する運用方法のことです。

具体的には、顧客から受け取った現金は、一旦自動釣銭機内部のストレージに保管されます。

次に、釣銭が必要となった際には、まずこのストレージから利用します。

入金優先運用は、現金の出入りを最小限に抑えることができ、現金管理の効率化と安全性向上に繋がるのがメリットです。

また、頻繁に釣銭を補充する必要が減るため、店舗運営の手間を軽減することができるでしょう。

②釣銭優先運用

釣銭優先運用とは、顧客から受け取った現金を直接釣銭として出力し、自動釣銭機内部のストレージを使わない運用方法のことです。

具体的には、顧客から受け取った現金が、次に必要となる釣銭として直接使用されます。

釣銭優先運用では現金の流動性を保ち、大量の現金を機械内部に保管するリスクを抑えることが可能です。

また、現金の補充頻度が減るため、運用上の手間を軽減することができます。ただし、この方式を採用する場合は、現金の種類と量によっては釣銭不足になる可能性があるため、注意が必要です。

自動釣銭機の種類とは？

自動釣銭機には、

「スタンドアロン型」
「統合型」
「インテリジェント型」

の3種類があります。

ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

スタンドアロン型

スタンドアロン型の自動釣銭機は、他のシステムやデバイスと独立して動作するタイプの自動釣銭機です。

通常は単体で完全に機能し、現金の受け取りと釣銭の提供を行います。スタンドアロン型は、設置が容易であるため、小規模店舗や移動販売など、機動性が求められる場合に適しています。

さらに、システムの複雑性を減らすため、故障やトラブルが少ないという点も特徴といえるでしょう。

統合型

統合型の自動釣銭機は、レジスターシステムや販売管理システムと連携して動作するタイプの自動釣銭機です。

購入金額や商品情報などは、連携しているシステムから自動的に取得し、精算処理を行います。

より効率的で迅速なサービスを提供することが可能です。大規模店舗や、複数のレジを管理する必要がある場合に適しています。

インテリジェント型

インテリジェント型の自動釣銭機は、高度な技術を用いて現金操作を最適化するタイプの自動釣銭機です。

例えば、AI技術を使用して現金の出入りを予測し、現金の補充タイミングを自動的に調整したり、防犯対策として偽札検知機能を備えていたりするものもあります。

また、リアルタイムでの売上データ分析や、在庫管理と連携したサービス提供など、ビジネス運営に対する洞察を提供する機能を持つことがあります。

このような高度な機能を持つ自動釣銭機は、業績向上や効率化を追求する店舗にとって非常に有益といえるでしょう。

人気の自動釣銭機メーカー5選

ここでは、人気の自動釣銭機メーカーを5つ紹介します。

グローリー

参考：https://www.glory.co.jp/product/detail/id=44

グローリーは、自動釣銭機分野で世界トップクラスのシェアを誇る日本のメーカーです。その優れた技術力により、高速で正確な釣銭処理を実現し、長年にわたり信頼されています。

また、豊富なラインナップにより、小規模店舗から大規模店舗まで幅広いニーズに対応できます。その他にも、セキュリティ性能の高さや操作の簡単さなど、使いやすさにも定評があります。

■価格・費用情報

本体価格(税別)	845,000円〜
導入時に必要な費用目安	1,000,000円〜※周辺機器を含めて
各プラン	サブスクプラン(1~60ヶ月まで対応) 月額26,400円

東芝テック

参考：https://www.toshibatec.co.jp/products/pos/vt330/

東芝テックは、高性能な自動釣銭機を製造する、日本を代表するメーカーの一つです。その最新技術により、釣銭処理の高速化やトラブルの自己診断、オンラインサポートなど、多彩な機能を提供しています。

また、省スペースで設置できる小型モデルも豊富にあり、中小規模店舗でも利用しやすいと評判です。さらに、デザイン性にもこだわっており、店内の雰囲気を損なわない美しい外観も魅力の一つです。

■価格・費用情報

本体価格	スタンダードタイプ：900,000円 大容量タイプ：1,188,000円
導入時に必要な費用目安	100~150万円程度

NEC

参考：https://jpn.nec.com/press/202202/20220208_02.html

NECは、高い信頼性と柔軟性を持つ自動釣銭機を提供する、世界的に有名なメーカーです。その最新技術により、釣銭処理だけでなく、顧客管理や販売管理など、様々な業務を効率的にサポートできるようになっています。

また、ネットワーク接続にも対応しており、遠隔地からのデータ管理が可能なため、大規模店舗でも利用しやすいと評判です。さらに、省エネ性能にも優れており、運用コストを抑えることができます。

■価格・費用情報

本体価格	要問い合わせ
導入時に必要な費用目安	70~100万円程度

つりペイ君

参考：https://www.asahiseiko.com/news/714/

つりペイ君は、株式会社アスクが開発した、小型・軽量の自動釣銭機です。コンパクトながら高速かつ正確な釣銭処理を行い、小規模店舗やイベント会場などでの利用に適しています。

また、ネットワークに接続することで、売上データの管理や在庫管理など、店舗運営を効率化する機能も備えています。その他、導入コストの低さや、簡単な操作性など、利用者から高い評価を受けています。

■価格・費用情報

本体価格	600,000円〜
導入時に必要な費用目安	600,000円〜800,000円

カシオ

参考：https://casio.jp/ecr/products/vr200_ecs777/

カシオは、軽量・高速な釣銭処理を実現した自動釣銭機を製造しているメーカーの一つです。

特に、POSレジとの接続がスムーズに行えるため、店舗の業務効率化に貢献することができます。

また、カスタマイズ性にも優れており、ユーザーが自由に設定を変更できるため、店舗のニーズに合わせて最適な釣銭処理を実現できます。さらに、省エネルギー性に優れているため、運用コストも削減できます。

■価格・費用情報

本体価格	要問合せ
導入時に必要な費用目安	要問合せ

自動釣銭機導入のメリットは？

ここでは、自動釣銭機導入のメリットについて5つ解説します。

労働力の節約

自動釣銭機の導入により、レジでの現金処理に要する労働力を大幅に削減することができます。

従業員は現金管理に時間を費やすことなく、より重要な業務に集中できるでしょう。

例えば、商品の補充や顧客対応、店舗の清掃など、他の重要な業務に時間を割くことが可能です。

自動釣銭機の導入で、労働力の節約につながるといえるでしょう。

現金管理の精度向上

自動釣銭機は、人間が行うよりも正確な計算を可能にします。釣銭ミスを防止し、精算の時間を短縮することが可能です。

また、現金の適切な管理は、盗難や不正などのリスクを減らすためにも重要な役割を果たします。

顧客サービスの向上

自動釣銭機による迅速な精算は、特にピーク時の混雑を緩和し、顧客のストレスを軽減します。

また、レジでの人間の操作を省くことで、顧客と店員の間のミスコミュニケーションや誤解を減らすことが可能です。

さらに、自動釣銭機は24時間稼働するため、営業時間外でも商品を購入することができる点でもメリットといえるでしょう。

偽札対策

多くの自動釣銭機は、偽札検知機能を備えています。偽札を店舗で受け入れるリスクを大幅に減らすことが可能です。

偽札対策により、特に現金取引が多い店舗にとって重要なメリットとなるでしょう。

売上データの収集と分析

自動釣銭機の導入により、リアルタイムでの売上データ収集と分析が可能です。

自動釣銭機は購入商品、購入時間、支払い方法など、各取引に関する詳細なデータを即時に記録します。

これらの情報は、日々の売上の動向を把握し、商品の人気度や販売パフォーマンスを評価するのに非常に役立ちます。

また、これらのデータは、在庫管理や需要予測、マーケティング戦略の策定など、より効果的なビジネス運営を支援してくれるでしょう。

自動釣銭機導入のデメリットは？

ここでは、自動釣銭機導入のデメリットについて5つ解説します。

初期投資のコスト

自動釣銭機の導入は、一定の初期投資を必要とする点がデメリットの一つです。

購入費用は製品の種類や機能によりますが、一般的には数十万円から数百万円の範囲です。

また、システムの設定やスタッフのトレーニング、定期的なメンテナンスなど、導入にはさまざまな隠れたコストが伴います。

したがって、導入を検討する際には、これらのコストとその後の運用コストを慎重に計算する必要があるでしょう。

システム障害のリスク

自動釣銭機は電子機器であり、故障やシステム障害のリスクがある点がデメリットです。

自動釣銭機が停止した場合、店舗の運営に大きな影響を及ぼし、顧客の満足度を低下させる可能性があります。

また、定期的なメンテナンスや修理が必要であり、これらも運用コストに加算されてしまうでしょう。

顧客の抵抗感

特に高齢者など一部の顧客は、新しいテクノロジーに対する抵抗感を持つことがあります。

自動釣銭機の導入により、これらの顧客が混乱を感じたり、店舗を避けるようになったりする可能性があるでしょう。

そのため、顧客のニーズや慣習を理解し、適切な対応策を計画することが重要です。

人間の対応が必要な場合

自動釣銭機は多くのタスクを自動化できますが、すべての状況に対応できるわけではありません。

例えば、紙幣や硬貨が詰まった場合、スタッフの介入が必要になることがあります。また、顧客からの質問や苦情など、スタッフの対応が必要な場面もあります。

サポートスタッフの配置で、これらの問題を解決できるでしょう。

現金の管理リスク

自動釣銭機は現金を大量に保管するため、盗難のリスクがあります。特に、セキュリティ機能が不十分な機種では、このリスクはより大きいです。

また、現金の補充や収集には、セキュリティを確保しながら行う必要があります。

そのため、現金の管理には十分な注意が必要です。特に大量の現金を取り扱う場合は、より厳重なセキュリティ対策を講じる必要があります。

さらに、現金の補充や収集のためには、専門的なスキルと時間が必要となり、これも運用コストに影響を及ぼす可能性があるでしょう。

自動釣銭機の選び方は？

ここでは、信頼できる自動釣銭機の選び方で重要なポイントを5つ解説します。

信頼性と耐久性

自動釣銭機は頻繁に使用され、長期間にわたって信頼性と耐久性が求められます。

そのため、選ぶ際には自動釣銭機が高品質の部品で作られ、堅牢な設計がなされているかを確認することが重要です。

また、メーカーの評判や保証期間、アフターサービスの内容も重要な参考ポイントになるでしょう。

使用環境の適合性

自動釣銭機の選択時には、その製品が自店の使用環境に適合するかどうかを確認する必要があります。

例えば、レジカウンターのサイズや形状、店舗内の電源設備など、具体的な環境条件を考慮して最適な製品を選びましょう。

操作性と利便性

自動釣銭機は、スタッフが簡単に操作でき、顧客が迅速に精算できることが求められます。

そのため、操作性や利便性を重視した製品選びが必要です。

ユーザーインターフェースの直感性、レスポンスの速さ、エラー発生時の対応機能など、具体的な機能を確認しましょう。

セキュリティ機能

自動釣銭機は大量の現金を取り扱うため、適切なセキュリティ機能が必要です。

セキュリティ機能には、偽札検知機能や金庫のロック機能などが含まれます。また、現金の補充や収集を安全に行うための設計や機能も重要です。

データ管理と分析機能

現代の自動釣銭機は、販売データの収集と分析を行う高度な機能を備えています。売上の動向を把握し、ビジネス運営を最適化することが可能です。

そのため、データ管理と分析機能を備えた製品を選ぶことをおすすめします。

自動釣銭機導入の手順とは？

ここでは、自動釣銭機導入の手順について、7ステップで解説します。具体的には以下の手順です。

以上の手順を通じて、自動釣銭機の導入と効果的な運用が可能となります。

まとめ

自動釣銭機は、店舗運営の効率化や顧客体験の向上に大いに貢献します。

現金の取り扱いに関連するヒューマンエラーや、会計時間を大幅に削減することが可能です。

導入のメリットとしては、労働時間の削減、精算ミスの防止、お客様の待ち時間の短縮などが挙げられます。

これらはすべて、ビジネスの成功に寄与する要素であり、自動釣銭機の導入はビジネスオーナーにとって重要な選択となるでしょう。