臨時教員は途中退職できる？元教員が退職の注意点を解説

臨時教員だけど、途中退職したい

途中退職した場合はどうなるの？

このようにお悩みではないでしょうか？

この記事を制作している僕自身、高校で臨時講師として2年、正規教諭として1年働いていました。

今回の記事では、僕自身の経験を踏まえ、

・臨時教員は年度途中での退職が可能なのか？
・途中退職する際の注意点
・途中退職したくなる理由

などについて詳しく解説していきます。

臨時教員として働いている方は、ぜひ参考にしてください。

臨時教員は途中退職できる

まず結論ですが、臨時教員は年度の途中であっても退職することは可能です。

実際、この記事を執筆している僕自身も年度の途中で退職していますし、法的にも問題ありません。

ただし、3月以外で退職する場合、以下のような注意点があるため、事前にチェックしておきましょう。

臨時教員が途中退職する際の注意点

この記事を読まれている方は、年度の途中に退職したいと考えているはずなので、相当辛い状況にあるのではないでしょうか。

人間関係や授業の崩壊、その他のストレスなど、どのような要因かは分かりませんが、かなりキツいはず。

ただし、途中で退職するのにもそれなりの覚悟が必要です。

事前に以下のことを理解しておきましょう。

精神的にストレスが掛かる

まず、精神的に強いストレスが掛かります。

5月や6月、9月や10月など、長期休み以外の期間に退職する場合には、周囲からの反感を買うことになるでしょう。

特に、途中で退職したいと考えるほど荒れた環境にあるはずなので、周囲の人も辞めたいと思っている可能性が高いです。

僕は底辺高に勤務していましたが、職場の人はみんなストレス過多の状況にありました。

そんな中、抜け駆けするように退職したので、周囲からの反発は半端ではなかったです。

ただし、正直、辞めてしまえばもう関わることがありません(実際、退職以降一度も会っていない)し、そんなことを気にしていたらいつまでも辞められないので、どうしても辛いなら退職を願い出て良いと思います。

教員では再雇用されない可能性が高い

臨時教員として働いており、どのような状況かにもよりますが、もし正規での雇用や、引き続き臨時教員として働きたいと思っている場合、再雇用されない可能性が高いでしょう。

教育業界は非常に狭いため、採用者である校長や教育委員会は繋がっています。

前職の経験や噂が耳に入ると、教員として働くのは難しいです。

そのため、途中で辞める場合には別の職業を模索するか、教員として働きたいなら他県に移ることも考えるのがおすすめです。

次どうするかを考えておくことが大切

途中で退職する場合には、辞めてからどうするのかについてしっかりと考えておきましょう。

上記でも解説した通り、教員として再雇用される可能性は低いです。

また、途中退職したいと思うほど強烈に嫌な思いをしているのですから、なるべく次の仕事は教員以外で検討するのが良いでしょう。

以下で、退職時のポイントをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

臨時教員が途中退職する時のポイント

ここからは、臨時教員が年度途中で退職する場合のポイントについて見ていきましょう。

なるべく夏休み・冬休みなど、長期休みに退職するのがベスト

退職するのであれば、なるべく長期休みに退職するのがベストです。

臨時教員は半年で契約を更新することになっているため、上半期が終了する9月ごろまであれば、スケジュールを合わせて退職させてもらえる可能性が高いでしょう。

また、この記事を読んでいるのが10月など、夏休みが終わっている場合には、冬休みまでに申し入れをしておき、退職させてもらうのがおすすめです。

ただし、授業が荒れすぎてうつ傾向にあり、明日仕事に行くのも辛いのであれば、仕事を休んで精神科などに行くのがおすすめです。

精神科へいき受診すれば、”診断書”がもらえます。

それを学校へ提出すれば、法的な拘束力によって出勤せずにすみますので、明日学校に行くのも辛いのであればこの方法を取ってください。(僕もそうしました)

教員以外の仕事も選択肢に入れよう

これは絶対にお話ししておきたいのですが、臨時教員をしていて精神的に病んでいるのであれば、必ず他の仕事を視野に入れるのがおすすめです。

臨時であるということは、校務分掌なども比較的まだ負担が軽い担当かもしれません。

ただし、現時点で辛いと感じている場合、教員は向いてない可能性が高いです。

そのため、適職診断アプリなどを活用し、自分がどの仕事に向いているのか、大まかに把握しておきましょう。

アサインなどのツールを使えば、すぐに診断できるので、まずは気軽にチェックしてみてください。

転職先を探しておこう

これから退職を検討しているなら、転職先を探しておくことをおすすめします。

臨時教員を途中で退職すると、地元で臨時教員として採用されるの難しくなるかもしれません。

特に地方であれば教員同士の横のつながりがあるため、教員以外の仕事を探しておくのがおすすめです。

退職前に転職エージェントなどに登録しておけば、求人チェックも無料で行えるので、まずはアカウント登録だけしておくことをおすすめします。

臨時教員が途中退職したくなる理由

臨時教員が途中退職したくなる理由はさまざまですが、以下のような理由が挙げられます。

給与と雇用条件の不満

臨時教員が途中退職したくなる理由の一つは、給与や雇用条件に対する不満です。

臨時教員の給与は通常、正規の教員と比べて低く、福利厚生や雇用保障も不十分な場合があります。

これに加えて、教育現場での負担や労働時間の不均衡も不満の要因となることがあります。

経済的な安定や公平な雇用条件を求め、より安定した給与や働き方を追求するために、臨時教員は退職を検討することがあるでしょう。

仕事の不安定さ

臨時教員が途中退職したくなる理由のもう一つは、仕事の不安定さです。

臨時教員の雇用は通常、契約期間や需要に依存しており、雇用の継続性や安定性が低いことがあります。

契約の更新や新たな職場の確保に不安があり、毎年のように新たな求人を探す必要があるため、不安定さを感じるかもしれません。

このような状況での不安定な雇用やキャリアの見通しにより、臨時教員は安定性を求めて退職を考えることがあるでしょう。

労働環境の問題

教育現場はストレスやプレッシャーの多い環境であり、教師としての負担が大きいことがあります。

臨時教員は短期間で多くのクラスを担当することがあり、業務の負担が大きいと感じるかもしれません。

また、教育機関内の人間関係や組織文化の問題もあり、これらが退職の理由になることがあります。

不適切な扱いやサポートの欠如、業務負荷の過剰さ、職場のコミュニケーションや協力の不足など、労働環境の問題は臨時教員の意欲や満足度に直結し、退職を引き起こす要因となるでしょう。

専門的な成長の欠如

臨時教員は通常、正規の教員と比べて教育研修やキャリア開発の機会が限られています。

教育に情熱を持っている人々にとって、専門的な成長やスキルの向上の機会がないと感じることは退職の要因になり得ます。

教育現場は常に進化しており、新たな教育手法やカリキュラムが導入されていますが、臨時教員はそれに追いつくための時間やサポートを得ることが難しいです。

このような状況下では、専門的な成長や教育の質の向上を追求するために他の教育機関や職場を探す動機になるでしょう。

将来の不透明さ

臨時教員として働く場合、将来のキャリアパスや職業的な安定性が不透明であることがあります。

教育機関の需要や予算削減の影響を受ける可能性があるため、長期的な安定を求めて他の職業に転向する場合が考えられます。

特に、臨時教員が教育現場での経験を積みながら正規の教員としてのポジションを目指している場合、将来のキャリアの見通しが不確かであることが退職の要因になるでしょう。

職場の将来のビジョンや雇用の安定性が不明瞭である場合、臨時教員は自分の将来を見据えて別の選択肢を模索することがあります。

臨時教員が途中退職するメリット

臨時教員が途中退職することには、以下のようなメリットが挙げられます。

新たな機会の追求

臨時教員が途中退職することで、新たな機会を追求できる点がメリットです。

他の業界や教育機関での経験を積めば、自身のスキルセットを広げることができます。

異なる環境や仕事に挑戦することで、自己成長やキャリアの多様化を図れるでしょう。

新しい出会いや経験を通じて、自身の可能性を広げるチャンスが得られます。

ワーク・ライフ・バランスの改善

教育現場は時間的な制約や負荷が大きいですが、臨時教員が退職することで、ワーク・ライフ・バランスを改善するメリットがあります。

別の職場や業界に移ることで、自身の生活スタイルに合わせた働き方や時間配分が可能です。

家族や趣味に充てる時間や、自己のリフレッシュに充てる時間を確保することができるでしょう。

ストレスの軽減

教育現場はストレスの多い環境であり、臨時教員も多くの責任やプレッシャーに直面しますが、退職することでストレスの軽減が見込めます。

新たな職場や環境に移行すれば、過度な業務負荷や教育現場特有のストレスから解放されることがあります。

自身の健康やメンタルウェルビーイングを優先し、よりバランスの取れた生活を送ることができるでしょう。

自己成長の機会

臨時教員が途中退職することで、自己成長の機会が生まれます。

新しい職場や環境での経験を通じて、新たなスキルや知識を獲得し、専門性を深めることが可能です。

異なる業界や教育機関での仕事に取り組むことで、自身の視野が広がり、多様な経験から学ぶことができます。

新しいチャレンジや挑戦を通じて、自己の成長を促進し、キャリアの可能性を広げることができるでしょう。

ライフステージの変化への対応

臨時教員が途中退職することで、ライフステージの変化に柔軟に対応するメリットがあります。

人生の状況や家族の事情が変化した場合、別の職場や働き方を選べば、自身や家族のニーズに合った生活を実現することができます。

例えば、育児や家族の世話、留学、自己のスキルアップのための学習など、ライフステージに応じた選択肢を追求できるでしょう。

自己の幸福や生活の質を重視し、ライフワークバランスを実現することが可能です。

臨時教員が途中退職するデメリット

次に、臨時教員が途中退職するデメリットについて5つ解説します。

経済的な不安定さ

臨時教員が途中退職するデメリットの一つは、経済的な不安定さです。

臨時教員は通常、契約期間や需要に応じて雇用されるため、収入の安定性が低い傾向があります。

退職後は新たな雇用先を見つけるまでの期間や、収入が一時的に途絶える可能性があるでしょう。

その結果、生活費の心配や経済的な不安が生じることがあります。

専門的な成長の停滞

専門的な成長の停滞もデメリットの一つです。

教育現場での経験や実績の積み重ねは、教育キャリアの発展において重要な要素です。

臨時教員が退職すると、教育環境や学生との関わりが途切れ、専門的なスキルの継続的な発展が妨げられる可能性があります。

また、新たな職場での教育経験が不足していることが、将来のキャリアの機会や評価に影響を与えてしまうでしょう。

キャリアの中断

臨時教員が途中退職するデメリットの一つは、キャリアの中断です。

教育現場での経験や実績の積み重ねは、将来のキャリアにおいて重要です。

途中退職することで、教育機関内での信頼や評価、キャリアパスの機会を失う可能性があります。

新たな職場や業界に移行する場合、教育に関する専門知識や経験が活かされず、キャリアの推進や成長の遅れを招くことがあるでしょう。

社会的つながりの喪失

臨時教員が途中退職するデメリットのもう一つは、社会的つながりの喪失です。

教育現場では、教師同士や生徒との関係が重要です。

退職後に教育コミュニティや同僚とのつながりが断たれると、支えや助言を得る機会が減ります。

共同でのプロジェクトやプロフェッショナルなチームへの参加が制限される可能性があり、自己の成長や交流の機会が減少するでしょう。

職場での評価や参加機会の低下

臨時教員が途中退職するデメリットのもう一つは、職場での評価や参加機会の低下です。

長期的な関わりやコミットメントがない場合、教育機関内での評価や昇進の機会が減少する可能性があります。

また、教育現場でのプロジェクトや委員会への参加機会も制限されるかもしれません。

退職によって職場での存在感や影響力が低下し、教育現場での発展や成果に貢献する機会が制約される可能性があるでしょう。

臨時教員が途中退職する際の注意点

臨時教員が途中退職する際は、注意しなければならない点があります。ここでは、その注意点について3つ解説します。

契約や法的な義務の確認

臨時教員が途中退職する際には、契約や法的な義務を確認することが重要です。

契約期間や退職に関する規定、通知期間などを注意深く確認し、それに従って適切な手続きを行う必要があります。

また、労働法や雇用契約に基づく権利や義務、給与や退職金の支払いについても理解し、必要な手続きを遵守することが重要です。

法的な問題を避けるためにも、契約や法的な義務について的確なアドバイスを受けることがおすすめといえるでしょう。

コミュニケーションと連絡

臨時教員が途中退職する際には、関係者とのコミュニケーションや連絡を適切に行うことが大切です。

上司や同僚に退職の意思を早めに伝え、退職の理由や退職日について誠意を持って説明することが望ましいです。

円滑な引継ぎ手続きや必要な書類の提出、連絡先の共有なども行い、職場の円満な移行をサポートすることが重要になります。

また、感謝の意を伝えるメッセージや関係者へのお礼の言葉を忘れずに述べることも大切です。

円滑なコミュニケーションを通じて、良好な関係を維持しましょう。

キャリア戦略の考慮

臨時教員が退職する際には、将来のキャリア戦略や目標を考慮することが重要です。

退職後の進路や次のステップについてよく考え、準備や計画を立てる必要があります。

自身のスキルや専門知識の強化、他の職業や教育機関での求人情報の収集など、将来の方向性を明確にするための行動を取りましょう。

また、退職前に必要な書類や成績の保管など、キャリア戦略を支えるための手続きも忘れずに行うことが重要です。