クラウドPOSレジを比較｜シェア率やおすすめを解説

近年、IT技術の発展に伴い、小売業界も大きな変革を遂げています。特に、クラウドPOSレジはその最前線に立っています。

様々な業種でのビジネス効率化や顧客体験の向上に貢献するクラウドPOSレジは、従来のレジシステムと何が異なり、どのようにビジネスに影響を与えるのでしょうか。

本記事では、クラウドPOSレジの概要や選ぶ際のポイントなどを解説します。また、シェア率が高いサービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

クラウドPOSレジとは？

タブレットやスマホで利用できるクラウドPOSレジが多くの店舗で導入されています。ここでは、クラウドPOSレジの概要や、導入が進んでいる理由について解説します。

クラウドPOSレジとは？

クラウドPOSレジとは、従来の物理的なレジシステムをクラウドベースのソフトウェアに置き換えたものです。商品の販売と購入の情報をリアルタイムでクラウドに保存し、いつでもどこからでもアクセスできるようにします。

クラウドPOSレジの一番の利点はその柔軟性です。物理的なハードウェアが不要なため、設置スペースや初期投資を大幅に削減できます。

また、クラウドベースであるため、情報はリアルタイムで共有され、在庫管理や売上分析などの業務を効率化します。更新も自動化され、新機能の導入もスムーズに行えるでしょう。

クラウドPOSレジの導入が進んでいる理由は？

クラウドPOSレジの導入が増えている背景には、いくつかの理由が存在します。

まず、コスト効率の向上が挙げられます。物理的なレジスターの設置に比べ、クラウドPOSレジの初期設置費用は大幅に低いです。

また、継続的なソフトウェアアップデートやシステムのメンテナンスがクラウド上で行われるため、これらの運用コストも節約できます。

次に、操作性の向上です。クラウドPOSレジは、インターネット接続があればどこからでもアクセス可能で、ビジネスのデータをリアルタイムで把握できます。在庫管理や売上分析が容易になり、迅速な意思決定が可能です。

これらの理由から、クラウドPOSレジの導入が進んでいると言えるでしょう。

クラウドPOSレジで行えることとは？

ここでは、クラウドPOSレジが行えることについて解説します。

各店舗での情報共有

クラウドPOSレジを使用すると、複数の店舗間で情報を簡単に共有できます。新商品や価格変更などの情報を一括管理し、リアルタイムで全ての店舗に配信することが可能です。

在庫情報も即座に更新されるため、商品の入荷状況や欠品情報なども店舗間で共有できます。店舗の一貫性を保ちつつ、効率的な情報共有が可能となるでしょう。

日々の売上データの集計

クラウドPOSレジは、日々の売上データを集計する機能を提供しています。POSレジでの取引データがクラウド上に蓄積され、リアルタイムで集計されます。

売上の推移やトレンドを把握し、効果的なビジネス戦略の立案や在庫管理の最適化が可能です。また、売上データの詳細な分析やレポート作成も簡単に行えるため、経営者や管理者は迅速な意思決定を行うことができるでしょう。

顧客情報の管理

クラウドPOSレジは、顧客情報を効果的に管理する機能を搭載しています。顧客の氏名、連絡先、購買履歴などの情報を一元的に収集・保存できます。

顧客ごとの嗜好や購買パターンを把握し、個別のマーケティング戦略を展開することが可能です。また、顧客のポイントや特典の管理も自動化され、顧客満足度を向上させることができるでしょう。

メルマガやクーポン配信

クラウドPOSレジを活用することで、顧客へのメルマガやクーポンの配信が簡単に行えます。顧客データを活用して、特定のターゲットに向けたキャンペーンを展開することができます。

例えば、過去の購買履歴に基づいたパーソナライズされたクーポンを配信すれば、リピート購買を促進したり、新商品の宣伝を行ったりすることが可能です。顧客満足度の向上や売上の増加に貢献してくれるでしょう。

ホームページの作成

一部のクラウドPOSレジは、POSレジと統合されたオンラインストア機能を提供することがあります。商品のオンライン販売や在庫管理、顧客情報の収集などを統合的に行えるのが特徴です。

しかし、典型的なクラウドPOSレジは、販売データの管理や集計、在庫管理、顧客情報の管理など、店舗での効率的な運営を支援する機能に焦点を当てています。ホームページの作成には、別途ウェブデザインやホスティングのサービスを利用する必要があるでしょう。

セルフオーダー・モバイルオーダー

セルフオーダー・モバイルオーダーは、クラウドPOSレジによって実現される便利な機能です。

セルフオーダーでは、顧客が自ら注文を行い、支払いも自己処理できます。メニューを閲覧し、オプションや数量を選択し、注文を確定させます。待ち時間の短縮や注文の正確性の向上が図られ、顧客体験が向上するでしょう。

また、モバイルオーダーでは、顧客が専用アプリを使用して注文を行います。

注文内容や支払い情報をスマートフォンやタブレットから入力し、指定した場所や時間に受け取ることが可能です。店内や外出先から注文ができるため、利便性も高まるでしょう。

クラウドPOSレジのシェア率が高いサービス5選

ここでは、クラウドPOSレジのシェア率が高いサービスを5製品紹介します。クラウドPOSレジ選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

Airレジ

■Airレジの特徴

Airレジは、無料でレジ機能を利用でき、月額料金が発生しないPOSレジで、導入に伴うコストを低く抑えられます。ユーザーフレンドリーなUIと使いやすさを重視した機能が特徴的です。

さらに、基本的なレジ操作だけでなく、売上管理や分析も可能で、ビジネス運営をより効率的に行えます。また、AirペイやAirペイQRとの結びつきを通じてキャッシュレス決済にも容易に対応でき、クレジットカード、交通系電子マネー、QRコードを使用した決済も可能です。

Airレジは、48万8000以上の店舗で利用され、アカウント数も約62万を数え国内では一番の人気を維持しています。

■Airレジの価格プラン

• 0円～

スマレジ

■スマレジの特徴

スマレジは、iPhoneやiPadアプリを利用したクラウドベースのPOSレジシステムです。その主な機能はクラウド上に存在し、自動アップデート機能によりユーザーはいつでも最新の状態でシステムを利用できます。

幅広いプランとオプションが用意されており、業種や店舗規模に合わせて必要な機能を選択・追加することが可能です。この柔軟性がスマレジの大きな強みとなっています。

また、サービスの品質を保証し、サーバー稼働率は99.95%と補償されています。もし万が一サーバーが停止した場合でも、販売業務を続行できる体制が整っているため、安心して使用できます。スマレジは、123,000以上の店舗で利用されており、その人気は高いです。

■スマレジの価格プラン

• スタンダード：0円
• プレミアム：5,500円/月
• プレミアムプラス：8,800円/月
• フードビジネス：12,100円/月
• リテールビジネス：15,400円/月

ユビレジ

■ユビレジの特徴

「簡単が一番」を掲げるユビレジは、直感的で利用者にとって使いやすいデザインを特徴とするPOSレジです。初めての利用者でも安心して扱えるよう、専任コンサルタントによるサポート体制を整えています。

さらに、オプション機能も豊富で、iPadやスマートフォンから直接注文や会計を行えるシステムなど、業態に合わせてPOSレジ機能をカスタマイズすることが可能です。ユビレジは、30,000店舗以上での導入実績があり、顧客管理機能、ハンディとの連携、在庫管理との連携などの多数の導入事例がある、信頼性の高いPOSレジシステムと言えます。

POS+

POS+（ポスタス）は、小売業界に特化したPOSレジシステムとして設計されています。これは在庫管理から帳票作成に至るまで、小売業運営に必要な全ての機能を包括しています。

また、各店舗の具体的な状況に応じて、特定のカスタマイズを施すことも可能です。POS+の特徴として、充実したサポート体制があります。365日対応の電話サポートや全国どこでも対応可能な出張サポートなどを提供しており、POSシステムを初めて使用する店舗でも安心して導入できます。

また、トラブル時には迅速なサポートが提供され、万が一の事態にも対応できる体制を確保しているのも魅力です。

■POS+の価格プラン

• POS+ retail：12,000円～/月
• POS+ food：12,000円～/月
• POS+ lite：6,000円～/月
• POS+ beauty：12,000円～/月

Square(スクエア)

■Squareレジの特徴

Squareレジの主な特長は、売上金の迅速な入金です。指定された銀行、例えば「三井住友銀行」や「みずほ銀行」を利用していれば、決済方法に関わらず次の営業日に売上金が入金されます。

さらに、振込手数料は一切かからないので、安心して利用できます。また、Squareレジはどんな店舗にもマッチする洗練されたデザインが特徴です。

キャッシュレス決済、在庫管理、スタッフ管理、売上レポートなどがSquareレジのアプリ内で全て行えます。商品の販売、決済、請求、予約受付など、多様な業務をオンラインで一括管理できる点も大きな魅力と言えるでしょう。

■スクエアの価格プラン

• フリープラン：0円
• プラス：6,000円/月
• プレミアム：要問合せ

クラウドPOSレジを選ぶ際のポイントは？

クラウドPOSレジの製品選びで失敗しないためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。ここでは、クラウドPOSレジを選ぶ際のポイントを解説します。

予算・価格をチェック

クラウドPOSレジを選ぶ際にはまず、予算と価格をチェックすることが重要です。多くのクラウドPOSレジは月額料金制であり、その料金は使用する機能の数や店舗の規模によって異なります。

また、初期導入費やハードウェア（タブレットなど）の購入費用も考慮する必要があります。必要な機能と予算を考慮に入れ、コストパフォーマンスの高いシステムを選ぶことが重要です。

サポート体制をチェック

POSレジは店舗の業務を支える重要なツールであるため、問題が発生した際に迅速に対応してくれるサポート体制が整っていることは重要です。

そのため、各POSレジのサポート体制を詳しくチェックし、問題が発生した場合にも対応してくれるか確認する必要があります。

サポートは電話やメール、チャットなどの形で提供されていることが多いです。24時間対応しているか、または自分の主要営業時間に対応しているかなど、自分のビジネスに合ったサポート体制を選びましょう。

シェア率をチェック

シェア率はそのクラウドPOSレジが市場で、どれだけの割合を占めているかを示す指標で、選択の参考になる重要な要素です。

高いシェア率はそのPOSレジが多くの店舗から信頼されている証であり、安定性や信頼性、使い勝手の良さを示していると言えます。

また、シェア率が高いということは、そのユーザーコミュニティが大きいことを意味し、情報交換やノウハウの共有に役立つこともあるでしょう。

操作性をチェック

操作性は、レジシステムを利用する上で非常に重要な要素です。直感的で使いやすいインターフェースは、作業効率を高めるだけでなく、スタッフの研修時間を短縮することにもつながります。

多くのPOSレジシステムはデモ版を提供しており、事前に試用して操作性を確認することができます。スタッフが使用しやすいと感じるシステムを選ぶことで、業務のスムーズな進行に貢献するでしょう。

必要な機能が備わっているかをチェック

クラウドPOSレジを選ぶ際の重要なポイントは、自社のビジネスにとって必要不可欠な機能が備わっているかどうかを確認することです。

たとえば、商品の在庫管理、売上分析、顧客データの管理、オンライン決済、リアルタイムでのマルチ店舗管理など、ビジネス運営にとって重要な機能が必要かもしれません。

さらに、将来的にビジネスが成長した場合に対応できるかどうかも重要な視点です。自社のビジネスモデルや業態によって必要な機能は異なるため、各POSレジの機能リストを詳細に確認することが重要です。

自社のビジネスモデルに合ったクラウドPOSレジを選べば、導入後に必要な機能が欠けているという事態を避けることができるでしょう。

クラウドPOSレジのメリットは？

クラウドPOSレジを導入することで、従来のPOSレジにはないメリットを得られます。ここでは、クラウドPOSレジのメリットを5つみていきましょう。

導入が簡単でスピーディ

クラウドPOSレジの大きなメリットの一つは、導入が簡単でスピーディであることです。従来のPOSシステムはハードウェアを導入し、それに伴う配線作業や設定が必要でした。

一方でクラウドPOSレジでは、インターネット接続があれば、タブレットやスマートフォン等の既存のデバイスを用いてサービスを利用することが可能です。

また、新機能の追加やバージョンアップも自動で行われるため、システムのメンテナンスに時間を割く必要がありません。

会計ミスを減らせる

クラウドPOSレジは、会計ミスを大幅に減らすことができる点がメリットです。商品の価格情報や数量、割引情報等は自動で計算され、会計金額をすぐに算出します。

手作業での計算ミスを防止するだけでなく、顧客へのレスポンスも向上します。

また、レジでの支払い方法も多様化しており、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などをサポートしているシステムも多いため、顧客の利便性を高めることができるでしょう。

セルフオーダーやモバイルオーダーを導入できる

クラウドPOSレジは、セルフオーダーやモバイルオーダーを導入できるという点がメリットにあります。お客様自身が直接オーダーを入力し、注文ミスを防止することが可能です。

また、レジまでの移動を減らし、スムーズな顧客体験を提供します。スタッフの労力を削減し、より重要な業務に集中させることができます。

特に飲食業界や小売業界での導入が進んでおり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による非接触・無人化のニーズにも対応可能です。

キャッシュレス対応が可能

クラウドPOSレジの大きなメリットに、キャッシュレス対応が容易にできることが挙げられます。

キャッシュレス決済は、現金よりも手間が少なく、セキュリティも高いため、消費者にとって便利であり店舗にとってもリスクを軽減するメリットがあります。

クレジットカードやデビットカード、モバイル決済、電子マネーなど、さまざまな決済手段をサポートすることが可能です。より幅広い顧客層を対象にサービスを提供することができるでしょう。

細かな売上分析・情報管理が可能

クラウドPOSレジは売上データや顧客情報、在庫状況などビジネス運営に必要な様々な情報をリアルタイムに収集・管理することが可能です。タイムリーな意思決定を行い、ビジネスの効率化と成長を促進することができます。

例えば、どの商品が売れているか、どの時間帯が混雑しているかなどの情報を瞬時に把握することで、商品の発注量の最適化や人員配置の改善などが可能です。

また、顧客の購入履歴や来店頻度などの情報を活用して、マーケティング戦略を練ることも可能になるでしょう。

クラウドPOSレジのデメリットは？

ここでは、クラウドPOSレジを導入することによるデメリットについて解説します。前述したメリットと比較しながら見ることで、自店舗にクラウドPOSレジの導入がふさわしいかを判断しやすくなるでしょう。

初期費用・ランニングコストが掛かる

クラウドPOSレジは非常に便利な一方で、一定の費用が発生することがデメリットです。具体的には、導入時の初期費用や、使用に際して発生する月額費用、必要な場合には追加機能の利用費用などがあります。

また、ハードウェアのメンテナンスや更新、ソフトウェアのアップグレードにも費用が発生します。

そのため、採用する際は事前に必要な費用をしっかりと把握し、そのコストを回収できるだけの効果があるかどうかを検討することが重要です。

通信環境がないと利用できない

クラウドPOSレジのデメリットに、インターネット接続が必要という点が挙げられます。

店舗の立地や通信環境によっては安定したネットワーク接続が得られない場合もあり、その場合はクラウドPOSレジの一部の機能が制限されるかもしれません。

また、通信障害が発生した場合にも同様の問題が起こります。これらの問題を避けるためには、常に安定したネットワーク環境を確保することが重要となるでしょう。

使い方をスタッフへ指導する必要がある

特にテクノロジーに不慣れなスタッフがいる場合、操作方法を覚えるまでに時間がかかるかもしれません。また、システムが更新された際にも、新しい機能の使い方をスタッフ全員に理解させる必要があります。

トレーニングには時間と手間がかかるため、その負担を考慮しなければなりません。その一方で、適切なトレーニングを提供すれば、クラウドPOSレジは業務効率化に大きく貢献します。

そのため、スタッフの教育は導入初期の投資と考え、長期的なメリットに目を向けることが重要です。

クラウドPOSレジの導入手順は？

ここでは、クラウドPOSレジの導入から運用までの手順を解説します。具体的な手順は以下のとおりです。

上記の手順は一般的なもので、実際の導入プロセスは選択した製品やビジネスの状況により異なることがあります。導入する製品のメーカーのサポートを受けることも重要です。

まとめ

本記事を通じて、クラウドPOSレジが現代の小売業界でどれほど重要な役割を果たしているかが理解できたでしょうか。

各クラウドPOSレジは、それぞれの特徴と利点を持ち、一部は高いシェア率を誇ります。しかし、最適な選択は必ずしも最もシェア率が高いものではありません。

それはビジネスニーズにもよります。効率化、コスト削減、顧客体験の向上など、目指すべきポイントを明確にしてから、最適なクラウドPOSレジを選択することが重要です。

よくある質問

最後に、クラウドPOSレジに関するよくある質問に答えていきます。

クラウドPOSレジとは？

クラウドPOSレジは、POSシステムをクラウド上で提供するサービスです。データやアプリケーションがクラウドサーバーに保存され、インターネット経由でアクセスされます。POSシステムの導入や管理が簡素化され、柔軟性と拡張性が向上します。

なぜクラウドPOSレジの導入が進んでいる？

クラウドPOSレジの導入が進んでいる理由はいくつかあります。

「低コストで導入できる」「柔軟性と拡張性がある」「情報漏洩やデータの損失のリスクを軽減することができる」などの利点から、クラウドPOSレジの導入が広まっています。

クラウドPOSレジを選ぶ際のポイントは？

クラウドPOSレジを選ぶ際のポイントは以下を参考にしてください。

• 予算・価格をチェック
• サポート体制をチェック
• シェア率をチェック
• 操作性をチェック
• 必要な機能が備わっているかをチェック

クラウドPOSレジでシェア率が高いサービスは？

クラウドPOSレジでシェア率が高いサービスには、エアレジ・ユビレジ・スマレジの3社が挙げられます。いずれも優れた性能とサポート体制を提供しているため、シェア率が高いサービスであれば、これらの中から検討してみるのが良いでしょう。

クラウドPOSレジを導入するメリット・デメリットは？

クラウドPOSレジを導入するメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

• 導入が簡単でスピーディ
• 会計ミスを減らせる
• セルフオーダーやモバイルオーダーを導入できる
• キャッシュレス対応が可能
• 細かな売上分析・情報管理が可能

デメリット

• 初期費用・ランニングコストが掛かる
• 通信環境がないと利用できない
• 使い方をスタッフへ指導する必要がある